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Output「Portal」| XYパッドで操るライブ感覚のグラニュラーエフェクト

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最近はDowfiの影響もあって、グラニュラーシンセシスにハマっています。

早速ですが、まずはこちらの曲をお聴きください。(5:25~)

このグニャグニャしたGlitchyな感じ、気持ちいいですよね。

今日ご紹介する「Portal」は、こんな感じでサウンドをグニャグニャに加工するのが得意なプラグインです。

Output「Portal」- Plugin Boutique

他にもPortalを使えば、このようなサウンドも作れます。

これはFlumeの公式YouTubeに載っているサウンドサンプルですが、このようにFlumeの音楽はグラニュラーシンセシスを多用した音が随所に散りばめられています。

Portalを使えばこういったサウンドを再現することはもちろん、

  • XYパッドを使ってライブ感覚で音を処理
  • グラニュラーエフェクトとモジュレーションを駆使して複雑なサウンドを生み出す

といったことも可能です。

XYパッドで音を時間変化させる

DAW付属のプラグインでもグリッチ系のエフェクトは作れますが、複雑なモジュレーションをかけたり、オートメーションでぐりぐり動かそうとすると、相当な労力と時間がかかってしまいます。

そんな面倒くささを一掃し、簡単操作で、複雑なグラニュラーエフェクトを可能にしたのが、このPortalです。

Portalの基本操作

Portalの画面は、「メインページ」「アドバンスページ」「プリセットページ」の3つに分かれています。

メインページでは、XYパッドを使って粒子を自由自在に操り、複雑な音の変化を楽しむことができます。

プリセットが豊富なのでまずは、

  1. プリセットを選ぶ
  2. XYパッドで音を変化させる

というシンプルな使い方でPortalを楽しみましょう。

「もっと自由自在に音を変化させたい」ということであれば、アドバンスページに行き、細かい設定をしていきます

動画のように「Stretch」「Grain Controls」のパラメーターを操作し、グラニュラーエフェクトの細かいかかり具合を調整していきます。

また、モジュレーションを使い、グリッチ系サウンドを作ることも可能です。各プリセットにはかなり複雑にモジュレーションがかかっているので、プリセットを開いてみることで、どのようにモジュレーションを使えば効果的かを学ぶこともできます。

まずはお気に入りのプリセットから始めてみよう

Portalは、いろんなパラメーターをXYパッドやモジュレーションに割り当てることで、複雑なエフェクトを作ることができますが、最初はどのようにパラメーターを割り当てれば、好みの音になるのか分かりづらいと思います。

なので、まずはOutputから用意された膨大なプリセットを使ってみるのがおすすめです。

かなりの数のプリセットがありますが、YouTubeにプリセット紹介の動画がいくつかあるので、そういった動画の中から自分が気に入ったエフェクトを見つけて使ってみるのが良いでしょう。

プリセット紹介の動画をいくつか見つけたので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

しばらくPortalを使っていますが、自分でパラメーターを覚えてモジュレーションをアサインして…とオリジナルのサウンドを作ろうとすると、正直かなり大変です・・・

細かい調整ができるに越したことはないですが、せっかく膨大なプリセットが用意されているので、プリセットを一通り確認して好きなものを選び、そこから微調整していくのが一番良いなと感じました。

ダンスミュージックからアンビエントまで幅広く使えて、まだまだ掘りがいのありそうなプラグイン。

値段は円安も相まってちょっと高いので、たまにやってるセールで買うか、SpliceのRent-to-Ownを使うのが良いのではないかと思います。

グラニュラー好きにはかなりおすすめです。

Output「Portal」- Plugin Boutique

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?