MENU
「週刊 スタジオ翁」ニュースレターの登録はこちら

【2023年版】Plugin Allianceの個人的なおすすめプラグイン8選

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

「Plugin Alliance」といえば以前から知名度はありましたが、最近も新しい製品がどんどん追加されていて、さらには月25ドル程度で全110種類以上のプラグインが使い放題という太っ腹なサービスも展開されていたりとサービスとしての勢いを増してきています。

「Transient Designer」や「Shadow Hills Mastering Comp」といった、UADでしか取り扱われていなかったプラグインも、Plugin Allianceで購入できるようになってきているので、個人的にもますます注目しているのですが・・・

今回は、そんなPlugin Allianceのプラグインで「これは使える!」と感じた8個のおすすめ製品を紹介したいと思います。

イコライザー系, マスタリング系など合計4つのジャンルに分けて紹介しているので、気になったところからご覧ください。

それでは順にみていきましょう!

ダイナミクス系

まずは、マスタリングにもつかえるダイナミクス系プラグインを3つ紹介します。

Shadow Hills Mastering Compressor Class A

「Shadow Hills Mastering Compressor」は名前のとおりマスタリング用のコンプレッサーで、プラグイン内でコンプの2段がけ(OPTO+VCA)ができる便利なツールです。

骨太なサウンドになるので、ロックやダンスミュージックなどに使うとよいでしょう。

ほんの1dBのゲインリダクションでもまとまりや重厚感を与えてくれるので、ミックスに独自のキャラクターを付け加えたいという時にもおすすめです。

Plugin Allianceにはもう1つ「elysia alpha compressor」というマスタリングコンプがありますが、色付けを最小限に抑えたナチュラルなまとまりが得られるので、最終段であまり音色を変化させたくない人にはこちらがおすすめです。

Shadow Hills Mastering Compressor Class A

Opticom XLA-3

こちらはLA-2Aタイプのオプトコンプレッサーですが、オリジナルにはない独自の「RESPONSE」機能により、ドラムバスに使ってもいい感じにファットなサウンドにしてくれます。

極端にかけてしまうと全体のバランスやイメージを大きく崩してしまうことがあるので、個人的にはドラムに使用してまとまりを出し、音をグッと前に押し出すために使うことが多いですね。

かなり強烈にかかりますが、うまく扱えばとても便利なプラグインです。

Opticom XLA-3

SPL Transient Designer Plus

これはコンプレッサーではなく「トランジェントデザイナー」といって、音のアタックとリリースをパラメーターひとつで簡単に整えられるプラグインです。

UADバージョンもありますが、専用の機器やオーディオインターフェースが必要なので、UADユーザーでなくても使えるというのは便利ですね。

もう一つトランジェントを整える「elysia nvelope」というプラグインもPlugin Allianceからリリースされていますが、こちらは知名度がそれほどないもののアタック・リリースを帯域を選んでコントロールできる便利なプラグインです。

SPL Transient Designer Plus

イコライザー系

次にイコライザーを2つ紹介しましょう。

これらも主に、マスタリング用途で使えるプラグインです。

Maag Audio EQ4

「Maag」は、「AIR BAND」と呼ばれる超高域にエアー感を与えるイコライザーとして有名です。

高域は2.5kHzから40kHzまで帯域を選べるシェルフタイプのEQで、楽曲に自然なきらびやかさを加えてくれます。

それ以外にも5つの帯域にEQをかけることができますが、それぞれの周波数は固定になっているので、細かい調整をするというよりは大雑把に全体のバランスを整えるといった使い方になるでしょう。

Maag Audio EQ4

Dangerous Music BAX EQ

「Dangerous」のハードウェア版は、レコーディングスタジオでも目にするような有名なイコライザーですね。

「低域と高域のシェルフEQとハイカット・ローカット」だけが付いているという非常にシンプルなプラグインですが、楽曲に音楽的な響きを与えてくれると定評があります。

最後の仕上げにBAX EQをいれると、音がいきいきします。

Dangerous Music BAX EQ

チャンネルストリップ系

チャンネルストリップ系は「SSL」が定番ですが、ここでは2019年に新たにリリースされた「Brainworx bx_console Focusrite SC」を取り上げます。

Brainworx bx_console Focusrite SC

「Focusrite」のコンソールというのは、その昔、最高の音を作るために採算度外視で作られていたと言われ、今となっては世界に数台しか残っていない貴重な機材だそうです。

もちろん僕は実機を触ったことがないので、このプラグインがどれほど本物と似ているのかは分かりません。

ただ、発売時の評判の良さに加えて、Focusriteコンソールの72チャンネル分の特徴を再現(TMT)するというマニアック過ぎる機能を備えたこのプラグインは、Plugin Allianceのサブスクリプションに登録するなら一度は試してみる価値があると思います。

Brainworx bx_console Focusrite SC

マスタリング系

Plugin Allianceはマスタリング系がかなり充実していて、ここまでにも主にマスタリング用途で使えるEQやコンプレッサーを紹介してきました。

さらにミックスやマスタリングといった制作の終盤で使えるのが、こちらの2つのプラグインです。

ADPTR AUDIO Metric AB

以前Sample Magicから「Magic AB」という似たようなプラグインが販売されていましたが、こちらの「Metric AB」も制作している曲とリファレンス曲を比較するための便利なツールです。

リファレンスと周波数特性, 音圧, ステレオ感などを簡単に比較できるので、僕も仕上げには毎回必ずこのプラグインを使っています。

今回紹介したプラグインの中でも一番のおすすめですね。

プロのエンジニアであっても、やはりリファレンスを使ってミックスやマスタリングをすることが多いようなので、スタジオのようなきっちり調整された環境が家にない人はなおさら、こういったツールを使っていくべきだと思います。

ADPTR AUDIO Metric AB

Brainworx bx_digital V3

マスタリング段階の細かいEQ処理やM/S処理などで重宝するのが、この「Brainworx bx_digital V3」です。

マスタリングはプロのエンジニアにしてもらうのが一番ですが、個人でもある程度のモニター環境が整っている人なら、こういったプロユースのプラグインを使って最終調整するのもアリでしょう。

色付けという意味ではそれほど効果はありませんが、不要な帯域を取り除いたりバランスを整えることに長けているプラグインです。

Brainworx bx_digital V3

【2021年版】Plugin Allianceの個人的なおすすめプラグイン8選 | まとめ

以上が、僕のおすすめする8つのプラグインでした。

「UAD持っていないけど、ビンテージエミュレーションプラグインを使ってみたいんだよな」という人は、ぜひPlugin Allianceを使ってみてください。

Plugin Allianceには常に新しく魅力的なプラグインが追加され続けているので、人によっては1つ1つのプラグインを購入するよりもサブスクプランの方がお得かもしれません。

個人的にはPlugin Allianceのミキシング系プラグインがすべて使える「MIX & MASTER」プランがおすすめですね。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

サービス・書籍について

<ニュースレター>

週刊「スタジオ翁」beehiiv版

毎週、音楽制作やAIに関する話題、世界の音楽ニュースなどを紹介しています。

<著書>

AI時代の作曲術 – AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

 

この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?