リリースしてからちょっと時間が経っていますが、最近になって、XLN Audio「XO」というビートメイキングツールを導入しました。
これはボタンをポチッと押すだけで、半自動的にビートメイクをしてくれるツールなのですが、とにかくビートを作るスピードが今までの数倍にも数十倍にもなり、サンプルパックやSpliceを使い、せっせとビートを作っていたことが懐かしく感じるくらい革新的です。
ダンスミュージックやヒップホップを作っている人は、全員導入した方が良いレベルのツールです。
XOはこの星座のようなインターフェースが特徴的で、色々とプラグインを掘っている人なら1度は見かけたことがあるかもしれません。各サンプルが楽器の種類ごとに色分けされており(例えばキックなら赤、スネアなら青といった具合に)、類似したサウンドが、このサンプルの宇宙に自動的に振り分けられます。
まず使い方としては、自分の好きなサンプルパックがある人はそれを、Spliceで今までダウンロードしてきたお気に入りのサンプルがある人は、それをフォルダにまとめてXOにアップロードします。XO自体にも1000を超えるドラムの音色が組み込まれているので、自分の好きなサンプルがない人はデフォルトのドラムキットを使ってみると良いでしょう。
あとはXOのジャンルプリセットを選択するだけで、 一瞬でビートが生成できてしまいます。
プリセットからボタン一つで生成した段階で、もう既に曲で使えるようなクオリティーのドラムパターンになっているので、後は各ドラムの音色や音程、リズムパターンなどを微調整するだけ。ドラムパターンを空きさせないためのアクセチューターというツールも内蔵されていたり、AB・AAABパターンといったパターン変化、 アクセントの調整、最大4リピートまでのロール機能、 ベロシティーコントロールなども付いています。
この手のビートメイキングツールは、Native InstrumentsのBatteryを始めとする、様々な製品が販売されていますが、これらのツールとの大きな違いは、革新的なエクスポート機能にあります。Batteryは便利で、僕も音楽制作を始めた頃はよく使っていたのですが、DAWにエクスポートができないため音色を個別に調整するのが難しく、途中で使うのをやめてしまいました…
XOは、ソフト右上のエクスポートボタンを押すことで、簡単にXO内で作ったドラムをエクスポートすることができ、さらにはエフェクト前、エフェクト後の各楽器のオーディオファイルをまとめてバウンスしたり、ステムごとにバウンスして、ドラック&ドロップで簡単にDAWに落とし込むことができます。
ここから、さらにXOを使って新しいパタンを生成してビートを足し続けてもいいですし、DAWの中で抜き差しをしてよりおもしろい展開を作ってみたり、ディレイ、リバーブ、スタッター等のエフェクトをかけて、ビートにアクセントをつけるのも面白いでしょう。僕は最近、新しくXLN Audioから発売されたLifeというツールを使い、不規則で意外性のあるパターンを作り、XOで使ったドラムパターンと組み合わせることで、より没入感のある飽きのこないドラムパターン作りをしています。
パターンプリセットはかなり豊富なので色んなパターンが作れますし、サンプルを入れるだけで「これで完成でいいんじゃない?」みたいな完成度の高いドラムパターンが出来上がってくるので、僕らがやることといえば、楽曲に合わせて微調整をしたり展開作りをするだけとなります。
デメリットは、UIが革新的すぎて最初は使い方がさっぱりわからない、ということくらいですね。今まで見たことのないインターフェースなので、初めは戸惑うかもしれませんが、チュートリアルを見れば、一通りの操作をすぐに覚えることができます。公式サイトがYouTubeのプレイリストを公開しているので、まずはこちらを見ながら操作を覚えていくことをおすすめします。
細かい使い方に関しては、ここでは書きません。他のブログやYouTubeを参考にしてみてください。
とにかく今までになかった革新的なツールで、 ダンスミュージックやヒップホップを作る方にどうしてもおすすめしたかったので、レビュー記事を書かせていただきました。皆さんのご参考になれば幸いです。