今日はDJやライブアーティストの定番コントローラー、ALLEN&HEATH「XONE:K2」についてご紹介しましょう。
この小型コントローラーはPCと一緒に使うことで場所をとらず最低限のスペースでのPCDJを可能にするほか、Ableton Liveやその他の機材とあわせて使うことでよりクリエイティブなライブパフォーマンスなどもできるようになります。
この記事はこんな人におすすめです。
- PCDJ用のコンパクトなコントローラーを探している
- ライブパフォーマンスで使えるコントローラーを探している
- 音質面でも信頼できるコントローラーが欲しい
- XONE:K2がどのくらい使えるコントローラーなのか知りたい
プロのアーティストも使っていることが多いので、気になっている人も多いことでしょう。
今回は、「XONE:K2」を使って実際にパフォーマンスを行っている7人のアーティストと共に、このコントローラーの魅力について紹介していこうと思います。
「XONE:K2」とは?
「XONE:K2」は、PCDJなどのデジタルDJ用に作られた「サウンドカード内蔵型DJコントローラー」です。音響業界では有名なALLEN&HEATH社から販売されていて、それぞれのフェーダーやボタンには自分の好きなコマンドをアサインすることができるので、DJからライブまで幅広い使い方が可能です。
ただのコントローラーというわけではなく「サウンドカード内蔵」というところに、一つ大きな魅力があります。
PCDJをする場合、「コントローラーとオーディオインターフェースを使う方法」と「サウンドカード内蔵型コントローラーを使う方法」の2種類があるのですが、XONE:K2があればパソコンとコントローラーだけで現場でのDJが可能になるんですね。
通常のDJコントローラーについているようなターンテーブル部分が付いていないのはTraktorなどのソフトを使えばテンポを自動で合わせてくれるので必要ないということもありますし、単にDJコントローラーとして使うだけでなくライブパフォーマンス用のコントローラーとして使うことが多いからという理由も挙げられます。
XONE:K2のもう一つの大きな魅力は、「好きな操作をフェーダーやボタンひとつひとつにアサインできる」という部分です。
ライブ用コントローラーとしての要素も強いので、単にEQやボリュームフェーダーとして使うのではなく、リバーブなどのパラメーターを調整できたりループやエフェクトなどの調整のために操作を割り当てることもできます。
このようにいろんな使い方ができるXONE:K2ですが、今から実際にプロのアーティストたちを、ライブやDJで使っている様子とあわせてご紹介していきましょう。
「XONE:K2」を愛用する7人のアーティスト
1. Richie Hawtion
まずはこの人、「Richie Hawtin」です。
テクノ界で知らない人はいないというくらい有名なDJですね。
この動画では「MODEL 1」というミキサーが登場しますが、これはRichie HawtinとALLEN&HEATH社が共同開発した製品で、K2と組み合わせたライブパフォーマンスについて解説しています。
2. Madeon
2011年に「LAUNCHPAD」を使ったライブマッシュアップが話題となり、一気にスターダムを駆け上がったMadeonは、この動画で2台の「LAUNCHPAD」と「XONE:K2」を使ってライブパフォーマンスを行っています。
やはりライブパフォーマンスの定番コントローラーなので、いろんなアーティストがライブで使用していますね。
3. Dubfire
「Dubfire」が2台の「XONE:K2」と「ABLETON PUSH」を使ってDJ+ライブのパフォーマンスを行っている様子です。
パソコン上にTraktorを立ち上げて、4トラックが再生されているのが見えますね。
通常のDJミキサーも使っていることから、エフェクト音などの専用コントローラーとしてK2を使っているのではないかと思われます。
4. Acid Pauli
通常のミキサーも置いてありますが、こちらは完全に「XONE:K2」のみを使ったプレイです。
「Acid Pauli」は自分の曲をアレンジして流したり、いくつかの音を重ねてその場で新しい音楽を作ってしまうことも多く、K:2のみを使用していますがライブパフォーマンスに近いプレイかもしれません。
「XONE:K2」だとフェーダーが4つ付いているので、最大4トラックを同時に再生することができます。
5. Paula Temple
こちらも通常のミキサーではなく「XONE:K2」のみでのプレイですが、パソコンの画面には「ABELTON LIVE」が見えますね。
「ABLETON LIVE」はDAWとしても使えますが、このようにDJやライブパフォーマンスとしても使える便利なソフトです。
6. Joris Boorn
通常のミキサーに加えて「XONE:K2」を、Traktorとあわせて使っている様子が見てとれます。
暗いのでどのように使っているのかよくわかりませんが、K2をメインで使って通常のミキサーは音質の調整やフィルターエフェクトの使用のみに使っているように見えます。
7. Guy J
完全に「パソコン + XONE K:2」のセットでプレイしています。
フェーダーがほぼ全て上がっていますが、エフェクトなどに使用しているのでしょうか。
このコントローラーは自分の好きなようにフェーダーやボタンをアサインできるので、詳しい使い方は本人にかしか分かりませんね…
「XONE:K2」の音質はいいの?
僕も「XONE:K2」を使ってDJをすることがありますが、音質はそこら辺のDJコントローラーに比べればはるかに良く、現場でも十分使えるかなといった感じです。
高額な機材に比べれば音質は多少劣りますが、先ほど何人かのアーティストを紹介して分かる通り、彼らは数千人規模の会場で「XONE:K2」を使ってプレイしています。
なので、通常の数百人規模のクラブでも使えるのはもちろん、個人なら十分過ぎるくらいの高音質だといえるでしょう。
より音質にこだわりたいという人は、「XONE: K2」に加えて「RME BabyPro」などの外部オーディオインターフェースを使って音を出すことをおすすめします。
ただ、これは10万円ほどかかってしまうので「そんな高いの買えないよ!」という人は、まず高品質なケーブルを試してみると良いでしょう。
ケーブルを買えたところでほとんど違いが分からないんじゃないかと考える人もいるかと思いますが、クラブなどの設備が整った場所や高音質なヘッドフォンで聴くとすぐに違いが分かります。
ケーブルもピンキリなので最高級のケーブルになれば値段もケタ違いですが、上記の「オヤイデ」のケーブルは2~3千円のものでも効果があり、海外のクラブで使われていることも多く信頼できる製品です。(先ほどのJoris Voornの動画にも映っていましたね)
少しでも音質を向上させたいという人は、ぜひ取り入れてみて下さい。
「XONE:K2」を愛用する7人のアーティストとその活用法 | まとめ
「XONE:K2」を導入する上でネックとなるのが、「音質」と「使いやすさ」だと思います。
「音質」は先ほどお話しした通り、数千人規模の会場でも十分使えるレベル。
「使いやすさ」でいえばマッピングの方法が少しややこしいので苦戦するかもしれませんが、慣れてしまえば自分の好きなように機能を設定して使えるので、ライブパフォーマンスでも大活躍してくれることでしょう。
もしマッピングを自分でするのが面倒だという人は、プリセットが無料でネットにたくさん転がっているので、それをそのまま使うと便利です。
値段もプロ仕様のCDJやミキサーを揃えるよりははるかに安く、初心者から上級者まで楽しめるコントローラーに仕上がっているので、パソコンを使ってDJをしたいという人にはかなりおすすめですし、ライブパフォーマンスのコントローラーとしても素晴らしい製品ですよ。
気になった人はチェックしてみて下さい。