Elastique Pitch V2 | ピッチ補正ツールはこれで決まり?

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

音楽制作において、ピッチ補正ツールを使う場面はよくありますよね。

Melodyneのようなボーカルを編集するツールもそうですが、キックやパーカッションといった楽器の馴染みをよくするために、曲のキーに合わせてピッチを変えるという人も多いんじゃないでしょうか。

参考: 理想のキックを作るための18の方法 – スタジオ翁

僕は普段、Ableton Liveを使っているのですが、ピッチ補正ツールでもっと自然なものはないかと、いくつか試した結果、このElastiquePitch V2というプラグインに辿り着きました。

Elastique Pitch V2 – zplane

公式ページには、「業界最先端のélastiquePRO-technologyをベースにしたリアルタイム・ピッチ・シフティング・プラグイン」と書かれており、「音的にも他のプラグインよりも自然でいい感じだなあ」と思って使っていたのですが、実はこのプラグインに使われているピッチシフト技術・・・

なんと、Ableton Liveにも使われている技術でした。笑

そうとは知らず、いろんなプラグインを試して聴き比べた結果、まさかのAbleton Liveに使われているピッチシフトに戻ってきたわけです。

Elastique Pitch V2はどんな人におすすめ?

なので、僕としてはAbleton Live内蔵のピッチ補正ツールを使えばいいか、となってしまったのですが、Ableton Liveを使っていないユーザーであれば、Elastique Pitch V2のピッチ補正技術を試してみる価値があるかもしれません。

例えば、

  • Pro Tools
  • Bitwig
  • Logic Pro
  • Reason
  • Davinci Resolve
  • Adobe Premiere

これらのDAWを使っている人で、内蔵のピッチシフターに満足していない人です。

Cubase、FL Studio、Ableton Liveにはzplaneの技術が使われているので、購入する必要はほとんどありません。これらの一流のDAWに採用されているほど優れた技術とも言えますね。

Logic Proだと「Pitch Shifter」というプラグインがありますが、これはあまり音楽的とはいえず、「サクッとピッチを調整したい」時に使えるプラグインが無いんですよね。

こちらの動画でも、Logic ProのピッチシフターとElastique Pitchが比較されていますが、Logic Proでピッチ調整したボーカルをそのまま使うのは、ちょっと厳しいことがわかると思います。

特にボーカルなどの「声もの」は、ピッチシフトの影響がわかりやすく出てしまうので、高品質なピッチシフターじゃないと厳しいでしょう。

Elastique Pitchの使いどころ

Elastique Pitchには「フォルマント」という声質を調整できる機能もついているので、ケロケロボイスを作ったり、怪物のような声、エイリアンの声といった、様々な声を作り出すことができます。

声だけでなく、こちらの動画のように、シンセサイザーに入れてコーラスエフェクトのように使うのも面白いです。

こうしてピアノやシンセサイザーに入れて音づくりをする、といった目的なら、もしかするとDAW付属のピッチシフターでも十分かもしれませんが、位相変化が少なくクリーンに聞こえる高品質なピッチシフターを探しているなら、Elastique Pitchを選んだ方が良いかもしれませんね。

プリセットについて

さて、プリセットはどんなものがあるかというと、ほとんどが「フレームレートを変換した時に、音程を修正するためのプリセット」になっています。

これは動画制作をしている人ならわかると思いますが、なんらかの理由でフレームレート(1秒間の動画が何枚の画像で構成されているか)を変更した際に、音程が微妙に上がったり下がったりしてしまうことがあります。

その時に、ピッチを補正するためのツールとして、こういったプリセットがあると思うのですが、そのためだけにこのプラグインを購入する人はあまりいないんじゃないかなと思います。

とにかく、音楽制作にはあまり関係がないので、プリセットはないと思った方が良いでしょう。

ピッチシフターを扱う場面によって、使い方は全く変わってくるので、そもそもプリセットは必要ないと思いますね。

まとめ

ピッチ補正ツールで高級なものだと、Seratoの「Pitch ‘n Time Pro」がありますが、確かにDJソフトだけあってピッチ補正技術は優れていますが、音楽制作に使われる補正ソフトとして、Elastique Pitchと大差があるかと言われれば、そこまでの価値はないかなと個人的には感じました。

Ableton Liveのピッチ補正は良くないと言われることもありますが、Ableton Live自体の音の精度も、昔に比べるとかなり上がってきていて、ピッチ補正ソフトとしての品質は全く問題ないと思います。

最初にも書きましたが、zplaneの技術が使われていないDAWを使っていて、現状のピッチ補正ツールに満足していない人ならElastique Pitchを試す価値があります。

あと、僕はDavinci ResolveのFairlightを使う機会がかなり多いのですが、正直Fairlightのピッチ補正はあまり良くないので、Fairlight内でピッチ補正が必要なときはElastique Pitchを使っています。

Adobe Premiereでピッチ補正をしたいとなった時も、音楽ソフトではないので品質はあまり良くなさそうですがどうなんでしょう。そういった人のニーズにも、もしかするとマッチするかもしれません。

「高品質なピッチ補正ソフトを探していた」という方、zplane社のElastique Pitch、いかがでしょう?

Elastique Pitch V2 – Plugin Boutique

ニュースレターはじめました。

音楽制作の話、世界の音楽ニュース、DTMに役立つコンテンツなどを毎週金曜日にニュースレターで配信しています。

無料なので、気になった方はメールアドレス登録してもらえると嬉しいです。

https://studiookina.substack.com/