今回は、Eventide「H9 Plug-in Series Bundle」というエフェクトプラグインバンドルを紹介します。
・H9 Plug-in Series Bundle – Plugin Boutique
Eventideといえば、アナログハーモナイザー「H910」などのエフェクターで有名な会社ですが、そのEventideのエッセンスを凝縮したのが、この「H9 Plug-in Series Bundle」というプラグインバンドル。
質の高いエフェクトや、独特なリバーブ, ディレイなどを探している人にピッタリの製品です。
シンセやギターの音をもっと加工して素敵なサウンドに仕上げたいという人は、ぜひチェックしてみていください。
Eventide「H9 Plug-in Series Bundle」とは?
H9 Plug-in Series Bundleは、Eventide「H9 Harmonizer」というエフェクトペダルに内蔵されている、有名なアルゴリズムを11個抜き出してプラグイン化したものです。
H9 Harmonizerといえば、リバーブ, ディレイ, モジュレーション, ピッチシフターといった全51種類のアルゴリズムが内蔵された、エフェクターの王様のような製品。
この中から厳選されたエフェクトがプラグイン化されているので、わざわざH9 Harmonizerエフェクターを購入せずとも、Eventideの名エフェクトがDAW上で楽しめるというわけですね。
単なるエフェクトとしても使えますが、Eventideのエフェクトはどれも独特な色付け感があるので、積極的な音作りにもガンガン使うことができます。
また、ビンテージのEventideのエフェクターを再現していたりもするので、プラグインぽくないアナログっぽい質感を得ることもできますよ。
Eventide「H9 Plug-in Series Bundle」の内容
それでは、ここからH9 Plug-in Series Bundleに入っている11個のプラグインを紹介していきます。
これらのエフェクターは、
- リバーブ系
- クリエイティブツール系
- モジュレーション系
- ピッチシフト系
と、主に4つの種類にわかれています。
順に紹介していきましょう。
リバーブ系
まずはリバーブ系から。
1. Spring
このスプリングリバーブは、「ロカビリー」や「サーフミュージック」といったジャンルの音楽で人気のあるギターアンプのエフェクトを再現しています。
バネの数やスプリングタンクのサイズを変えるといった、アナログのスプリングリバーブではできないようなことまで出来るので、音作りの幅が大きく広がります。
2. Blackhole Reverb
Eventideのエフェクトの中で、もっとも有名なのがこの「Blackhole」でしょう。
もともと「Space」というエフェクターに入っているリバーブですが、最近ではこのBlackholeのみが使えるハードウェア版のエフェクターも発売されました。
幻想的な空間を表現するのに、もってこいのリバーブプラグインです。

3. MangledVerb
MangledVerbは「リバーブ」と「ディストーション」を組み合わせたエフェクトプラグイン。
普通のリバーブでは得られないような、激しく歪んだ特徴的なリバーブを作ることができます。
4. ShimmerVerb
Shimmerといえば、原音に数オクターブ上の音を重ねることによって、幻想的な世界観を表現できるリバーブです。
アンビエントやフィルムサウンドを作る人は、とても重宝するでしょう。
クリエイティブツール系
次はクリエイティブツールとして、積極的にサウンドを加工していくための3つのプラグインを紹介します。
5. CrushStation
CrushStationは、EQやコンプ, OctaveMixなどの機能を使って、サウンドをひずませるためのプラグイン。
わずかにサチュレーションを加えて音に存在感を与えたり、ディストーション的に激しくドライブをかけることも可能です。
6. UltraTap
UltraTapは、リズミカルなディレイ/リバーブプラグインです。
その存在感のあるディレイで原音を積極的に加工していくと、予期せぬフレーズやサウンドが生まれやすくなるでしょう。
7. TriceraChorus
1970〜1980年代のビンテージコーラスを再現したのが、このTriceraChorusというプラグイン。
ギターだけでなくシンセやボーカルなどにかけて、サウンドに広がりや存在感を与えることができます。
モジュレーション系
モジュレーション系プラグインを使えば、音を微妙に変化させて生命感あふれるサウンドを作ることができます。
8. Undulator
Undulatorは「H3000」という、Eventideのビンテージ名エフェクトから存在するトレモロをプラグイン化したもの。
サウンドの広がりや、ちょっと古い感じの音を演出することができます。
9. Rotary Mod
これは「ロータリースピーカー」という、スピーカーユニットがグルグルと回転するスピーカーの音を再現したものです。
トレモロに似ていますが、ロータリースピーカーならではの「ゆらぎ」や「ビブラート効果」を生み出すことができます。
ピッチシフト系
最後に、Eventide「H3000」という名エフェクターに搭載されていた、2つのピッチシフト系エフェクトを見ていきます。
10. Crystals
Crystalsは、「ディレイ」とピッチシフトやリバースといった「エフェクト」を組み合わせることで、独特なディレイ感を演出するためのプラグイン。
まさにクリスタルのような、キラキラした美しいサウンドを作るのに向いています。
11. MicroPitch
最後のMicroPitchとは、左右のピッチを微妙に変えることで、サウンドに広がりを出すためのプラグインです。
ちなみにマイクロピッチという、微妙にピッチをずらして独特なサウンドを作る仕組みは、1970年にEventideによって生み出されました。
まとめ

実際に、僕もこれらのエフェクトプラグインを全て触ってみましたが、「Crystals」や「MicroPitch」など、Soundtoysのプラグインと効果や特徴などが似ているものがありますね。
参考: 【保存版】「Soundtoys」の全プラグインを解説!! – スタジオ翁
Soundtoysのプラグインもすごくおすすめなのですが、これらの製品はもともとEventideの実機をエミュレーションしたものなので、まだSoundtoysプラグインを持っていないという人は、本家Eventideのプラグインを購入しても良いかもしれません。
実機のEventide H9には素晴らしいエフェクトが内蔵されていますが、それがパソコンの中に入って、いつでもどこでも使えるというのはH9 Plug-in Series Bundleの大きなメリットだと思います。
気になった人は、ぜひチェックしてみてください。
・H9 Plug-in Series Bundle – Plugin Boutique