EQってどうやって使うの?基本的な使い方やEQでできることが知りたいな。
今日はこんな疑問に答えます。
EQ(イコライザー)って簡単なようで、意外と奥が深いんですよね。
EQは、ミキシング・マスタリングにおいてとても重要なツールなので、今までなんとなく使っていた人や、最近DTMを始めたからイチから教えて欲しいという人に向けて、EQの基本的なことから解説していきます!
今回の記事は、こういった人におすすめです。
- 今から音楽制作を始めたいんだけど、EQの使い方がイマイチ分からない
- EQの使い方や考え方について、もう一度しっかり理解したい
- EQの全体像がまとまった記事が読みたい
上級者向けの記事ではありませんが、覚えておきたいEQの考え方やアイデアについてもまとめているので、ある程度曲が作れるようになった人にも、参考になる部分があるかもしれません。
DTMのスキルアップを目指したい人は、ぜひご覧になってみて下さい。
EQとは?
EQ(イコライザー)とは、特定周波数のボリュームを調整するためのプロセッサーです。レコーディングスタジオなどでの音楽制作用途だけでなく、身近なものだとスマホやカーステレオ, カラオケなどの音響機器にも搭載されています。
iPhoneの音楽アプリには「Rock」「Jazz」「Pop」などのプリセットが内蔵されているが、あれはEQを使った音質調整のことじゃな。
音楽制作で使うのは、こういうものですね。
「Logic Pro」「Studio One」「Cubase」などの、どんなDAWにも必ず付いているプラグインで、「縦が音量、横が周波数」を表しています。
人間の耳は、およそ20Hzから20,000Hz(20kHz)までの音を聴くことができるので、左端は20Hz、右端は20kHzとなっていることが多いです。
周波数のおおまかな分類は、こんな感じ。
「どこまでを低域とするか」といった細かい周波数の感覚は、人によって違うと思うので、あくまで参考程度に見てもらえばと思います。
EQを使えば、「存在感の少ない低音をブーストして目立たせる」「特定の帯域に入ったノイズをカットする」などの処理ができるようになります。
始めのうちはよく分からないかもしれませんが、使い慣れてくると「ベースが目立ちすぎだから100〜300Hzを下げてみようかな?」「ハイハットが埋もれてるから8kHzあたりをブーストしてみよう」といった感じで、だんだんと周波数の感覚が分かってきますよ。
EQの種類
まずは、EQには大きく分けて2種類あることを覚えておきましょう。
「パラメトリックEQ」と「グラフィックEQ」です。
パラメトリックEQ
音楽制作で使われるほとんどのEQは、「パラメトリックEQ」です。
通称「パライコ」や「パラメ」と呼ばれておるぞ。
グラフィックEQと比べて、帯域幅などの細かい調整ができるのが大きな特徴。
フィルター的に使ってバサッと低域をカットしたり、ピンポイントで不要な帯域をカットしたりすることもできます。
グラフィックEQ
「グラフィックEQ」は、ライブの音響さんがよく使っていたりします。
通称「グライコ」ね!
帯域幅やフィルターの種類などを細かく調整することはできませんが、瞬時に必要な帯域を調整することができるので、瞬発力が求められるライブなどの現場でよく使われています。
音楽制作に使えるグラフィックEQとして「API560 Graphic EQ」のような製品もありますが、こういったEQは直感的な音づくりに役立ちます。
3つの基本パラメーター
EQには、3つの基本的なパラメーターがあります。
どのEQプラグインを使う時も必要になるので、必ず覚えておきましょう。
Frequency(周波数)
先ほど紹介したように人間の可聴範囲は20Hzから20kHzなので、EQプラグインも20Hzから20kHzをカバーしているか、少し余裕を持って10Hz〜22kHzあたりまでカバーしていることが多いですね。
右に行くほど、高い音になります。
Q(幅)
どのくらいの範囲を、EQでブーストしたりカットしたりするかを決めるパラメーターです。
ブーストは広いQで、カットは狭いQで行うのが基本です。
Gain(音量)
フラットな状態では真ん中が0dBになっており、上下に動かすことで特定の帯域の音量を変えることができます。
EQにできる6つのこと
ここからは、EQを使えばどんなことができるのかを紹介していきます。
主な、6つの使い方を見ていきましょう。
1. 不要な帯域をカットする
EQの一番の使い道は、これです。
レコーディングなどで入ってしまった不要な帯域をカットしたり、ミックス中でぶつかり合ってしまう帯域をカットしたりすることで、よりクリアなミックスに仕上げることができます。
2. おいしい帯域を強調する
曲中である楽器を強調したければ、楽器自体のボリュームを上げるのではなく、EQを使って特定の帯域だけをブーストすることで、より魅力的なミックスになる場合があります。
ただ、EQの基本はカットなので、何でもブーストすれば良いという訳ではありませんが、その方が好みのサウンドに近づいたりミックスの質が上がるといったメリットがあるなら、ブースト方向のEQも全然問題ありません。
3. ミックスの奥行きを調整する
「EQで奥行きを調整できるの!?」と疑問に思うかもしれませんが、、、できます。
音には、高い周波数ほどエネルギーの減少が早くなるという特徴があるので、ある楽器の高音部分をEQで削れば、遠くで鳴っているように聞こえます。
これは救急車をイメージしてもらうと、分かりやすいかもしれません。
サイレンが遠く離れるにつれて、やかましい高音部分はだんだん聞こえなくなってきますよね。
花火の音も遠く離れていれば、ほとんど「ドン!」という低音しか聞こえません。
4. 積極的に音作りをする
EQは、サウンドデザインにも使えます。
あえて鋭いEQやフィルターをかけて刺激的なサウンドにしたり、特定の帯域だけを抽出して使うといったこともできますね。
こういった、積極的な音作りのためのEQ/フィルタープラグインもたくさん販売されています。
5. サウンドに温かみを与える
これは主にアナログEQか、アナログ機材を再現したEQソフトを使って行います。
特に有名なビンテージ機材などは、その機材にしかない独自のキャラクターがあるので、サウンドにそういった独特な色味を与えたり、アナログ機材ならではの温かみを与えたりすることができます。
ここは、「UAD」や「Soundtoys」などが強みとするところですね。
参考: 「Soundtoys」の全プラグインを解説!! セール情報やおすすめのビンテージエフェクトもご紹介 – スタジオ翁
EQシェイプの種類
次に「シェイプ」と呼ばれる、EQの中で使えるバンドの形について見ていきましょう。
シェイプ(形)には、このような種類があります。
- ベル
- シェルフ
- フィルター(ハイパス, ローパス, バンドパス, ノッチ)
特に名称を覚える必要はありませんが、「こういうシェイプがあるんだ」と参考程度に見てもらえると良いかと思います。
ベル
「ベル」はもっとも一般的なシェイプです。
一番、使用頻度が高いシェイプでもありますね。
シェルフ
「シェルフ」とはシェルビングの略で、英語で「棚」という意味です。(シェルビングでできる段差が棚のようだから)
ボーカルやドラムなどの高域に、きらびやかさを出すために使われることも多いですね。
ハイパス・ローパスフィルター
「フィルター」も名前は違いますがEQの一種で、音をフィルタリングする(取り除く)という意味からきています。
「ハイパスフィルター」とは、ハイ(高域)の音をパス(通過)させるフィルターのことです。
つまり、
- ハイパスフィルター = ローカット
- ローパスフィルター = ハイカット
こういう意味なので、ちょっと混乱しがちですが間違えないようにしましょう。
低域のハムノイズなどをカットしたり、不要なローエンドを取り除いたりする時などによく使います。
ノッチフィルター
「ノッチ」は、特定の帯域をバサッとカットするためのフィルターです。
ノッチフィルターは、Q幅がめちゃくちゃ細いEQと考えてください。
高性能のEQであれば「Notch」というフィルターが選べますが、プラグインによってはついていないものもありますね。
この場合は、単純にEQの幅を細くすれば同じような使い方ができます。
周波数は大きく7つに分けられる
これは先ほど紹介した、周波数の感覚を掴むための大まかなチャートですね。
周波数の感覚はEQを使っていくうちに覚えられますが、ここではある程度「周波数ごとの音の特徴」や「その周波数帯に当てはまるのは、どんな楽器か?」といったことを見ていきましょう。
超低域 (20Hz〜60Hz)
「超低域」は、サブウーファーがもっとも得意とする帯域です。
普通の家庭用スピーカーだと、この帯域は全く出ないこともあります。
もし低音が大切なダンスミュージックなどの音楽を作っている場合、どのくらいこの帯域がモニターできるかというのが大切になってきますね。
低域 (60Hz〜200Hz)
この辺はキックであったり、ピアノ, 弦楽器, ベースの低い帯域などがほとんどを占めます。
声の低い帯域も、このあたりに含まれますね。
中低域 (200Hz〜600Hz)
スネアドラムやギターなどの「中低域」をブーストすると、音の厚みや芯が生まれます。
ただ、この辺に音が集中しているとミックス全体がモコモコしてしまうので、かなり気をつけて処理しなければならない帯域でもあります。
中域 (600Hz〜3kHz)
ボーカルを筆頭に、いろんな楽器のメインとなる帯域です。
同時に、耳に刺さるような高い音も、この辺の帯域であることが多いですね。
中高域 (3kHz〜8kHz)
音の「きらびやかさ」に影響する帯域です。
ここをブーストすれば、音を明るくして明瞭度を上げることができますが、強すぎると耳障りな音になってしまう可能性もあるので注意しましょう。
高域 (8kHz〜12kHz)
シンバルやハイハットなどの、キンキンと聴こえる帯域です。
「ツイーター」と呼ばれる、スピーカーに付いている小さな部分から出ている音が、この帯域や超高域にあたりますね。
ボーカルの「ツッ」や「スッ」といった歯擦音は、6〜8kHzであることが多いです。
超高域 (12kHz〜20kHz)
お年寄りには、ほぼ聞こえない帯域です。
日テレやテレ朝といったテレビチャンネルでは、15kHzまでしか再生されないことから、この帯域がなくても音としては成り立つということが分かりますね。
音楽においてこの帯域は「エアー感」とも呼ばれ、空気感や音の澄みわたる感じを表現します。
応用的な3つのEQ
EQの概要について押さえたところで、今度は応用的な3つのEQについて見ていきます。
これらは普通のEQとは少し違った働きをする特殊なものなのですが、最近のDAWには標準機能として付いているものも多いので、簡単な機能だけでも確認しておきましょう。
リニアフェイズEQ
「リニアフェイズEQ」とは、通常のEQで起こってしまう位相変化がほとんど起こらないEQのことです。
EQのデメリットとして、「EQをかけすぎると位相がズレて音が劣化してしまう」ということが言われますが、このリニアフェイズEQなら位相変化を起こさずにイコライジングができてしまいます。
「んじゃEQは全部リニアフェイズで処理すればいいのか!」というと決してそんなことはなく・・・これもかけすぎると音のアタック部分がボヤけてしまう「プリリンギング」というリニアフェイズEQならではの現象が起こることもあるので、簡単にどちらが良いとは言えないのです・・・
ちなみに僕はクラブで音響をしている時、リニアフェイズEQと普通のEQを比べてみたことがありますが、リニアフェイズEQを使うと明らかにノペッとした音になってアタック感や迫力が損なわれてしまいましたね。
ダイナミックEQ
「ダイナミックEQ」とは、コンプレッサー型EQのこと。
コンプレッサーは音の出っ張った部分を叩いて整えるためのツールですが、ダイナミックEQを使えば特定の周波数のみを叩くことができるのです。
見た目はEQと同じですが、ある帯域で、設定したレベル(スレッショルド)以上の音が出たときにだけEQが作動します。
つまり音が出ていない、もしくは設定したレベルに満たない場合は、EQがかかっていないフラットな状態というわけですね。
ほとんどのパートで気にならないけど、ある音量を超えたときに限って「ここは不要だな」と感じる音にだけEQ処理ができるという、とても便利なツールです。
M/S処理
「MS処理」とは、音の成分をMID(中央)とSIDE(サイド)に分けて処理することです。
詳しい使い方は、この記事にも書いていますが・・・
参考: MS処理を使って「空間」をコントロールする方法 | スタジオ翁
これを使えば「低域のステレオ感を調整して、音をタイトにする」「楽器の存在感は変えずにステレオ感だけを足す」といった、かなり特殊な処理ができるようになります。
正直なところ、初心者のうちはあまり使う必要がありません。
なのでまだDTMを始めたばかりの人は、「こんなプラグインがあるんだ〜」くらいに頭の片隅にとどめておく程度で十分でしょう。
EQをつかう時に注意すべき5つのこと
ここでは、実際にEQを使う時に注意したいことや、覚えておきたい基本的な考え方について紹介していきます。
1. ないものはブーストできない
まず、ブースト方向のEQで気をつけたいのはこれですね。
例えば、
「ベースの低音が足りないからEQでブーストしよう!」
と、何dBブーストしてもいまいち効果が得られない時は、そもそも原音に自分の求める音が含まれていない可能性があります。
こういった場合は録り直すか、新たにサブベースの音を作ってレイヤーしてみると良いかもしれませんね。
2. 広くブースト, 細くカットが基本
EQの基本は「カット」、そしてなるべく細めのQでカットするのが基本です。
不要な帯域のみを細めのQでカットすることで、おいしい帯域まで抜け落ちてしまうのを防ぎます。
逆に、ブースト方向のEQは広いQで行うのが基本です。
これは実際に細めのQでブーストしてみるとわかると思いますが、特定の帯域にピークができてかなり不自然な音になります。
自然なサウンドを得るためにも、ブースト時は広めのQで行うのが良いでしょう。
3. スペクトラムアナライザーを活用する
スペクトラムアナライザー(通称スペアナ)は、どの周波数がどのくらいの音量で再生されているのかを視覚的に確認できるツールです。
DAW付属のものでも良いですし、高性能のものを購入するのもアリです。
熟練のエンジニアならともかく、初心者が耳だけを頼りにミキシング作業を行うのは難しいので、こういったツールを使って・・・
- 特定の帯域に音がかたまっていないか
- 好きな曲がどんなバランスでミキシングされているのか
といったことを確認するのに使いましょう。
4. 目でEQしない
「スペアナを活用しろ!」とか言っておいて、今度は「目を頼りにEQするな!」とか意味不明ですよね・・・
これは最終的に音は耳で聴くものであって目で確認するものではないので、「音を視覚的に確認できるスペアナなどのツールはあくまで参考程度に使ってね」ということ。
視覚情報は、音楽の聴こえ方にかなりの影響を与えます。
人間の目と耳の関係って不思議なもので、今まで良い感じに聴こえていた楽曲でも、スペアナですごく不自然な帯域を見つけてしまうと「あれ?なんかミックスが不自然な気がする…」と感じたりします。
大胆にEQすることで心地よい音になったとしても、「ん?10dBもカットしてたのか…ちょっとやり過ぎかな?」となぜか不安になってしまうことも・・・
これは僕もよくやってしまうミスなんですが、必ず最終的な判断は「耳」で行いましょう。
目での情報に惑わされがちなら、目を閉じて耳だけを頼りに音作りやミキシングをしていくのもおすすめですよ。
5. ミックス全体のバランスで決める
DAWには、それぞれのチャンネルをソロで聴くための「ソロボタン」という機能が付いています。
このソロ機能を使って各チャンネルごとに一つづつEQで調整していけば、最後には理想的なミックスになるかというと、必ずしもそうとは限りません。
なぜならひとつひとつの楽器の音は完璧でも、全体で聴くと各楽器が互いに影響し合い、ミックス全体がぼやけたり特定の帯域が出過ぎてしまうことがあるからです。
一番大切なのは、各楽器を単体で聴いたときに最高の音になるよう調整するのではなく、最終的にすべてがミックスされた状態で最高の音になるよう調整すべきだということ。
これも僕が初心者の頃よくやっていたミスなんですが、EQでの調整時は無駄にソロボタンを使い過ぎないように気をつけましょう。
参考: DAWのソロボタンはなぜ使ってはいけないのか? – スタジオ翁
おすすめのEQプラグインはこれだけ!
ここまでが、EQの基本的な使い方や考え方についての解説でした。
EQプラグインはどのDAWにも必ず入っているので、新たにプラグインを購入する必要はないのですが、「高性能のEQが欲しい!」という人のために一つだけおすすめを紹介しておきましょう。
それがこちらの「Fabfilter Pro-Q 3」です。
このプラグインの魅力は、以下の3つ。
- 他のEQで可能なあらゆる機能がひとまとめ
- デザインがとにかくカッコいい
- 色付けのないフラットなサウンド
有料EQは世の中にあふれていますが、この「Pro-Q 3」にはEQに必要とされるさまざまな機能が入っているため、これを買ってしまえばたいていのEQは必要なくなるはず・・・
デザインも洗練されていて、音に関しても味付けのないフラットなサウンドを得意としています。
なので、「EQで温かみを!」とか「ビンテージモデリングEQの独特なサウンドをあなたに!」みたいな音を色付けするといった効果は期待できませんが、音作りからミキシング・マスタリングまで使えるクリーンなEQなので、持っておいて損はないでしょう。
「Pro-Q 3」なら、この記事で紹介している「帯域別ミキシング」もやりやすいんですよね。
参考: プロ並みのミックスバランスに仕上げる「帯域別ミキシング」とは? – スタジオ翁
DAW付属のEQも決して性能が悪いわけではないので、そのまま使い続けても全然OKです。
ただ、「最近、他の有料EQプラグインが気になっているんだよな」という人には、Fabfilter「Pro-Q 3」をぜひ使ってみてもらいたいですね。
・Fabfiler「Pro-Q 3」- Plugin Boutique
EQに関するよくある疑問
ここではEQに関するよくある質問を、いくつかまとめてみました。
順にみていきましょう。
EQプリセットは使うべき?
EQプラグインには、「スネア」「女性ボーカル」「ベース」「サックス」などの「EQプリセット」が入っていることがあります。
これを使えば、自分でEQする必要がないので便利に思えますが・・・
「”女性ボーカル”と言っても、声は人によって全然違うじゃないか!」
「楽器の音だって録音によってぜんぜん違うのに、EQプリセットなんか使って意味あるの?」
と、当然こんな疑問が湧いてきますよね。
これに関して僕は、「EQプリセットはあくまで参考程度に使う」というのがいいんじゃないかな〜と思っています。
EQプリセットというのは一応、各楽器の特徴をとらえたEQがかかっているので、
- この楽器はここにピークがきやすい
- ボーカルはここをブーストすれば抜けが良くなる
といった、エンジニアたちの常識をもとに作られているはず・・・
慣れている人はプリセットなんて使う必要は全くありませんが、EQを使い慣れていない初心者なら、いったんプリセットを挿してみてそこから自分なりにEQをアレンジしてみるという使い方が良いのではないでしょうか。
また、EQプリセットを見てみると、プロが各楽器に対してどのような意識をもってEQしているのかが分かるので、使うつもりがなかったとしても勉強のために見てみるのも面白いと思いますよ。
EQを使うと位相が悪くなる?
よくEQを使うと位相が悪くなる, 音が悪くなると言いますが、それならあまりEQは使わない方が良いのでしょうか?
実際にEQプラグインでも位相変化を表示できる製品もあるので、位相が変化するというのは事実なのですが、僕は「位相を気にしすぎてEQをためらう必要は全くない」と思っています。
理由は2つあって、
- 位相変化なんて耳で聴き取れない
- 位相変化が原因で、とんでもなくひどい音になることはない
このような理由です。
位相の問題は、マスタリングなどの緻密な作業だと大切になってくるのかもしれませんが、少なくとも個人のDTMerが気にするほどの問題ではないと考えています。
EQすることでひどい音になるのは、たいてい位相の問題ではなく、その人の見当違いなEQ処理が問題なんだと思います・・・
僕は専門家ではないので、「位相」についてもっと詳しく知りたければ、このあたりの記事を読んでみるのがおすすめですよ。
参考: ちょっと真面目な位相の話 – Vocal-EDIT.com/
参考: DTMをやっていると突き当たるちょっと難しい単語の話(1)位相 – eki_docomokiraiの音楽制作ブログ
マッチEQって何?
「マッチEQ」とは、ある曲の周波数特性を自分の曲に当てはめることができるEQの機能の一つです。
これは楽曲の最終段階で、「なんか参考にしてた曲と、音の雰囲気が違うな〜」と感じたときに使います。
曲の展開や楽器の構成などはどうしようもありませんが、マッチEQを使えば音の雰囲気くらいは簡単にマネできるでしょう。
マッチEQを使って参考にしていた曲と比べてみることで、「あっ、自分の曲は中高域が弱いな」とか「もっと低音を加えてもいいな」といった発見もあるので、最終的にマッチEQを使うかどうかは別として、自分の曲をレベルアップさせるためのツールとしても使うというのもアリですね。
まとめ
以上で、EQの基本的な解説は終わりです。
今回の記事が、みなさんの音楽制作の参考になれば嬉しいです。