sonible「smart:comp 2」| AIを駆使した次世代コンプレッサー

「sonible」というメーカーをご存知でしょうか?

AIを駆使したEQやコンプなどのツールを開発しているメーカーで、最近何かと話題になることが多いですね。

僕は「AI」という単語を聞くと、どこか胡散臭く感じてしまうたちで、正直、iZotopeのNeutronなどもあまり信用していません。

Neutronの発売当初に製品を試した時、AIがどんな音にも似たような設定をしてきたので、「これは使えないな」と感じてしまった気持ちを引きずっているんだと思います。

なので、sonibleに対しても同じような気持ちを抱いていたのですが、smart:comp 2は、今までのコンプにはない多くの機能を備えており、シンプルにどんな楽器にも使えるクリーンなコンプとしても重宝するので、今後、Fabfilter「Pro-C」などに代わるコンプの新定番になるのではないかと思っています。

smart:comp 2 – sonible

コンプの挙動も確認しやすくプリセットも豊富なので、DTMを始めたばかりで「使い勝手の良い高機能なコンプが欲しい」という人は、持っていて損のないプラグインでしょう。

便利な機能がたくさん詰まっているのですが、初見では理解しにくい部分も多いので、そのあたりを中心に紹介していきたいと思います。

目次

smart:comp 2のすごいところ

とりあえず、smart:comp 2の「ここがすごい!」と感じた部分を挙げていきます。

  1. コンプ量やかかり具合がひと目でわかる視認性
  2. AIによるパラメーターの自動設定
  3. AIによるスペクトル解析

この3つの特徴は、他のどのコンプレッサープラグインにもないものだと思います。

使ってみて「よくこんな機能を思いついたな…」と感心してしまいましたね。

ただ、これをパッとみても、何がすごいのかよくわからないと思うので、1つづつ解説していきます。

1. コンプ量やかかり具合がひと目でわかる視認性

最近はCPUの処理能力が上がってきたからか、リアルタイムでプラグインの挙動を確認できる製品が増えてきました。

シンセだとXfer Records「Serum」Arturia「Pigments 3」などは、LFOやエンベロープのかかり具合が目で見てすぐわかるので、かなり音づくりがしやすい構造になっています。

smart:comp 2も同じく、スレッショルドやアタック・リリースの数値を変更するとリアルタイムで表示されている波形が変化するので、どんな風にサウンドが変化していくのかがイメージしやすいんですよね。

こういった波形がプラグイン内で、リアルタイムで確認できる感じです。

すでにコンプの構造が理解できている人にとってはあまり必要のない機能かもしれませんが、「コンプのパラメーターが今ひとつ理解できていない」という人は、smart:comp 2の視認性に大きく助けられるでしょう。

参考: 【保存版】コンプレッサーを理解する – スタジオ翁

2. AIによるパラメーターの自動設定

smart:comp 2には、あらかじめ「ドラム」「ギター」「シンセ」「ボーカル」といったプリセットが内蔵されていて、プリセットをもとにAIがサウンドを解析してくれます。

完全にAIまかせだと現代の技術ではちょっと頼りない部分もあるのですが、このプリセットがあることで、AIがかなり良いバランスにまで勝手に追い込んでくれます。

これはコンプを使い慣れた人であっても、かなり使える機能だと思いますね。

3. AIによるスペクトル解析「Spectral Comp」

個人的にはこの機能がわかりにくくて、理解するのに時間がかかりました。

でもすごく便利で、「これぞAIプラグインの真骨頂!」といった感じの機能です。

これは何かというと、音の大きい部分(周波数帯域)をAIが検知し、最大2,000バンドという膨大な数のマルチバンドコンプをかけてダイナミクスを調整してくれる機能で、イメージとしては「Gullfoss」や「Soothe 2」に近いと思います。

さらにSpectral Link機能によって、Spectral Compをどの周波数帯にかけるかを設定できるので、高域だけにかけてディエッサーのように使うといった応用の仕方もできる優れもの。

「Style」ノブという、サチュレーションっぽく音を汚せる機能も地味に便利で、音に迫力がない時に使えば、別でプラグインを用意しなくても簡単に音を前に出すことができます。

smart:comp 2のすごいところ part.2

とにかく機能が多いsmart:comp 2は、その機能を応用することで、さらに便利なコンプになります。

先ほど紹介した機能の応用と、その他の便利な機能を見ていきます。

1. スペクトル解析を応用したスマートすぎるダッキング機能

スペクトル解析は、AIが音の出過ぎた部分を自動検知してくれる機能ですが、これを利用すると「2つの音の重なっている周波数だけをダッキングする」という素敵なサイドチェーンコンプに変身してくれます。

これを使えば、音への影響を最小限に抑えたダッキングができるので、「周波数のかぶりを解消したいけど、あまり原音を変化させたくない!」という場面ですごく役に立ちます

2. アタック・リリースを細かくシェイピング

これは必要なのか?ってくらい細かい機能の1つとして、アタック・リリース値を設定した後、さらにシェイパーを使ってアタック・リリースの具合を調整することができます。

確かに、アタック・リリース値の設定だけでは出せないような音に変化します。

曲中で音を微妙に目立たせたり、引っ込ませたりしたい時に役に立ちそうです。

3. ダイナミクスの細かいシェイピングも自由自在

smart:comp 2には、「Free-form Transfer Function」というダイナミクスをさらに細かく調整できる機能が備わっています。

これは、スレッショルド以下の音も調整できる機能で、エキスパンダーやゲートのような働きをします。

自由にシェイプを調整できるので、とにかく音の細かい部分まで追い込むことができます。

まとめ

smart:comp 2はさまざまな楽器からドラムバス・ミックスバスにまで使える、かなり有能なコンプレッサーです。

他のコンプに比べて、設定が細かいところまで追い込めすぎるところが、コンプを使い慣れていない人にとっては逆に悩みの種になるかもしれませんね。

「コンプは楽器によって、いろんなアナログエミュレーションプラグインを使い分けている」という人も多いかと思いますが、とにかくいろんなコンプの選択肢がある中で、迷ったらこれ!というものがあると、意思決定がスムーズになって制作もはかどるかと思います。

Fabfilter「Pro-C」などのコンプを持っている人は、あえて今からsmart:comp 2を購入する必要はないですが、コンプの選択肢が少ない人や、これからずっと使い続けられる高機能なコンプが1つ欲しいという人にはとてもおすすめですよ。

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