Moogerfoogerプラグインの魅力

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黎明期から業界を引っ張ってきたシンセサイザーの巨人Moogから、昨年末、ついにMoogerfoogerのプラグインバージョンがリリースされました。

すでに手に入れて、ガンガン使っている人も多いはず!

Moogerfoogerとは、2018年に生産終了となったエフェクターで、もともとはMoogのモジュラーシンセから派生した製品です。なので、オリジナルではモジュラーシンセに使われるCVという信号をコントロールできるようになっており、今回リリースされたプラグイン版でも、エフェクターとエフェクターを繋ぎ合わせてさまざまな場所からモジュレーションソースを引っ張ってこれる、まさにモジュラーシンセのような機能も搭載されています。

参考: Legacy Products – Moog

Moogerfoogerは僕も憧れのエフェクターで、リングモジュレーターやディレイなどいくつか気になる製品があったものの、なかなか手を出すことができずにいました・・・

そんな中、このプラグインバージョンが出たこと(しかも本家から!)は、とても嬉しいニュースでしたね。

実は、今までプラグイン版はAvidから販売されていたのですが、Pro Tools専用だったこともあり、AbletonやLogicなどの一般的なDAWユーザーは使うことができませんでした。UADやArturiaといったブランドもMoogのフィルターを再現したプラグインを出していますが、本家から出てしまえば、どうしても本家バージョンが欲しくなるというもの。

今回は、Moogerfoogerとしてリリースされた7つのプラグインの中から、特にお気に入りのフィルターとディレイをご紹介していきます。

Moogerfooger MF-101S Filter

UADから出ているMoogのフィルターは音作りで使っていて、ちょっとレゾナンスを加えてシンセやストリングスにフィルターを当ててやると、程よい温かみが出るので重宝しています。

参考: Moog Multimode Filter Collection – UAD

MF-101Sを使ってみると、こちらの本家バージョンは、UAD版と結構フィルターのかかり具合が違うことに気がつきました。UAD版はレゾナンスがわかりやすく「キュイーン」といった感じでフィルターがかかるのに対し、本家バージョンは滑らかにぬるっとかかります。

どちらが良いのかはわかりませんし、オリジナルのハードウェアがどのようなかかり具合なのかはわかりませんが、UAD版のわかりやすいフィルターのかかりを聞いた後だと、本家は少し物足りなく感じてしまいました。

微妙にパラメーターの数値やかかり具合が違っているので、ここは調整次第で近い音は出せるような気がしますし、単に好みの問題な気もします。DRIVEノブの加減によって音の迫力が変わってくる気がしますが、ここはまだ探求できていないので、気になった方はぜひここらへんも色々試して見てください。

Moogerfooger MF-104S Delay

このディレイは独特の質感が出ていて素晴らしいですね。

Fabfilter Timelessのような「どんな場面でも使える万能ディレイ」には程遠いですが、Moogらしさと言いますか、かなり太めの存在感たっぷりなディレイ音が飛び出してくるので、存在感を出したいシンセやギターなどに使うと、MF-104Sにしか出せない質感が生まれると思います。

ディレイタイム、フィードバック、LFOというとてもシンプルな構成ですが、調整次第ではかなり実験的なサウンドを出すことも可能。

プリセットはどれも凶暴でキャラクターの濃い音ですね。

いかにもビンテージのアナログディレイって感じの音がしますが、同じくアナログディレイをエミュレートしているSoundtoysのEchoboyでも、この音はなかなか作れないんじゃないかな?ってくらい特別感のある音になっています。

参考: Soundtoys 「EchoBoy」の特徴と使い方を解説!! 愛用している著名アーティストは? – スタジオ翁

太くて重量感たっぷりのディレイを探している方には、かなりおすすめです。

プラグイン同士で柔軟なモジュレーションが組める

Moogerfoogerプラグインのメリットの1つとして、モジュレーションソースを別のMoogerfoogerエフェクトから引っ張ってこれる機能があります。

例えばフィルターで使っているLFOを、ディレイにも適用させて同じタイミングでモジュレーションがかかるようにすることも可能。

こういったルーティングが簡単に組めるのはプラグインならではですね。

こういった機能をうまく使えば、この記事の最初に貼ったYouTube動画のおじさんのように、かなりぶっ飛んだ音を作ることもできるでしょう。

まとめ

今回は7種類のエフェクターのうち、気に入っている2種類だけを紹介しましたが、残りのエフェクターもクセ者揃いです。

むしろクセが強すぎて、「どう扱えば良いのかわからない…」という方もいると思いますね。それくらい扱いが難しいけど、うまく使いこなせれば唯一無二の音楽制作の強い味方になってくれるであろう頼もしい存在でもあります。

デモ動画などを観て、「自分ならこれをうまく使いこなす自信がある!」という方は、ぜひバンドルを購入し、Moogerfoogerワールドを堪能してみてください。

短いですが、サクッと話題のMoogerfoogerをレビューいたしました。

Moogerfooger Effects Plugin Bundle – Plugin Boutique

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