最近よく使っているソフトシンセは、こちらの記事で取り上げています。
先日、フリーなのに上質なVSTソフトシンセサイザー5選で、無料でもクオリティーの高いフリーシンセをご紹介しました。
無料のソフトでもある程度までは楽しむことができますが、今回は、
「無料シンセに満足できなくなってきたな〜」
「そろそろ本格的にDTMに取り組んでみたい!」
という人に、おすすめの有料シンセプラグインを厳選してご紹介していきましょう。
ここでは全て僕が実際に使ってみて、素晴らしいと感じたもののみをご紹介します。
えー、私は無料のでいいやー
何を言っておる。有料だと音質も使い心地も桁違いじゃぞ
まずはシンセ選びのポイントや注意点について解説していますが、「すぐにランキングが見たい!」という人は、こちらからご覧ください。
ソフトシンセを評価するための6つの指標
今回はこのような6つの指標から、独自の視点で評価してみます。
- 音の良さ
- 音作りの自由度
- プリセットの豊富さ
- アナログっぽさ
- 音の立ち
- 独自性
すべてがパーフェクトなシンセはないので、自分が大事にしたいポイントを絞って、お気に入りの1台を選んでみてください。
ほとんどのソフトシンセには「デモバージョン」があるので、必ず購入前にはサウンドや使い心地を試してみることをおすすめします!
プロも愛用するおすすめのソフトシンセサイザー7選
ここからランキング形式で、おすすめのソフトシンセを紹介していきます。
さっそく、1位から見ていきましょう!
1位「Diva」- u-he
音の良さ | |
音作りの自由度 | |
プリセットの豊富さ | |
アナログっぽさ | |
音の立ち | |
オリジナリティ |
Divaを使用しているアーティスト: Disclosure, Madeon, Hans Zimmer, Todd Terje, Lenno, Feed Me, Throttle, 3LAU, ODESZA, Jay Hardway
Divaは5つのアナログシンセの名機を再現した、バーチャルアナログシンセです。
Juno-60, Jupitar-8, MS-20, Minimoog, JP-8000などの名機をモデリングしており、MS-20のフィルターをJupitar-8に組み合わせるといった、マニアックなルーティングを行うことも可能です。
このシンセが登場した当時は、「ソフトシンセでこんな音が出せるのか!」と衝撃を受けました。
リリース直後はCPUへの負荷が大きく鬼のように重かったのですが、度重なるアップデートによってかなり改善されましたね。
グラミー賞にもたびたびノミネートされているUKのハウスデュオ「Disclosure」も愛用しているシンセで、彼らのようなアナログライクな音作りがしたいなら、Divaを選べば間違いないでしょう。
エレクトロで攻撃的なサウンドなどには向いていませんが、アナログっぽい温かみのある音のソフトシンセを探している方にはもってこいですよ。
参考:「u-he Diva」があればアナログシンセはもう不要かもしれない – スタジオ翁
2位「Serum」-Xfer Records
音の良さ | |
音作りの自由度 | |
プリセットの豊富さ | |
アナログっぽさ | |
音の立ち | |
オリジナリティ |
Serumを使用しているアーティスト: Marshmello, Martin Garixx, Skrillex, Deadmau5, Flume, Nicky Romero, Diplo, Kanye West, Feed Me, The Chainsmokers, KSHMR, 7 Skies, BT, Don Diablo
2位は、最近話題のソフトシンセXfer Records「Serum」です。
NexusやSylenth1, Massiveなどが主流だったEDM業界ですが、最近はSerumがその定番シンセのポジションを確立しようとしています。
このシンセのメリットは、3つあります。
- 音の良さ
- 直感的な音作りのしやすさ
- 内蔵エフェクトの素晴らしさ
音の良さは聴けばすぐにわかりますし、多くの人がレビューしているのでここではあまり触れません。
僕が驚いたのは、なんといっても直感的すぎるインターフェースです!
動画を観るとわかりますが、ウェーブルテーブルやフィルターがリアルタイムで動いていますよね?
これはシンセの仕組みを理解する上でとてもわかりやすくて親切なデザインで、音作りが今までのシンセよりはるかに簡単かつ直感的に出来てしまいます。
初心者が一番初めに買って「シンセサイザーとは何か」を覚えるためのシンセであり、上級者がそのプロクオリティの音を使って世界レベルの楽曲を作るためのシンセでもある・・・
これで流行らないわけがありませんよね!使用アーティストも有名人ばかりです。
動画をみて「この音は!」とピンときた人は、ぜひ試してみてみて下さい。
参考: 初心者こそXfer Serumを使うべき3つの理由 – スタジオ翁
3位「V Collection 8」- Arturia
音の良さ | |
音作りの自由度 | |
プリセットの豊富さ | |
アナログっぽさ | |
音の立ち | |
オリジナリティ |
V Collection 8を使用しているアーティスト: Bonobo, Four Tet, The Prodigy, Sebastien Leger
Arturiaは多くのビンデージシンセをソフトシンセとして蘇らせていて、中にはBuchlaやCS-80, EMSなど実機で買うには高すぎて手が出せないシンセも含まれています。
V Collectionならこれらの名機をまとめて管理出来るソフトがあるので、数多くのリアルに再現されたビンテージシンセから素早く音色を探すことができます。
昔はかなり使いづらかったのですが、年々アップデートを重ねることで音のクオリティや使いやすさが上がってきていますね!
歴史的なビンテージサウンドを体感してみたい人におすすめのソフトシンセです。
4位「Pigments 3」- Arturia
音の良さ | |
音作りの自由度 | |
プリセットの豊富さ | |
アナログっぽさ | |
音の立ち | |
オリジナリティ |
実際に存在するアナログシンセを再現し続けていたArturiaですが、数年前ついにオリジナルのデジタルシンセをリリースしました。
これが音もインターフェースも現代的で素晴らしく、先ほど紹介したSerum同様、フィルターやLFOの動きをリアルタイムで確認できるので、シンセの構造が初心者にも直感的にわかるように設計されています。
さらに、Pigments3にはグラニュラーシンセという、オーディオファイルを元にシンセシスをおこなう素晴らしいシンセも付いています。
こんなに豪華で良いんですか?というくらい贅沢なシンセで、初心者から上級者までおすすめできる逸品です。
参考: 【レビュー】Arturia「Pigments 3」はSerumを超えるソフトシンセか? – スタジオ翁
・Arturia「Pigments 3」- Plugin Boutique
5位「Repro-5」- u-he
音の良さ | |
音作りの自由度 | |
プリセットの豊富さ | |
アナログっぽさ | |
音の立ち | |
オリジナリティ |
こちらは、比較的新しいソフトシンセですね。
ソフトシンセの中でも最高峰の音質で、u-heから販売されているシンセ「Diva」の音質を完全に超えています。
「Prophet-5」というアナログシンセを再現していて、Arturiaも同じシンセの名機をソフトで再現していますが、u-heのクオリティーにはかないません。
そしてRepro-1とRepro-5はセットで販売されているので、Repro-5を購入するとRepro-1も付いてきます。
Repro-1も「Pro One」というビンテージシンセを再現したもので、これら2つの名機が同時に手に入るというのはかなりお得ですね。
ひとつ欠点があるとすれば、「Prophetらしい音」しかだせないという部分ですかね・・・
EDMやダブステップをつくりたいという人には正直おすすめしませんが、「アナログっぽい音が欲しい」「Prophetの音が大好き」という人には本当におすすめです。
参考: ついにDivaを超えた?u-he「Repro-1」は現時点で最強のソフトシンセか – スタジオ翁
6位「Sylenth1」- LennarDigital
音の良さ | |
音作りの自由度 | |
プリセットの豊富さ | |
アナログっぽさ | |
音の立ち | |
オリジナリティ |
Sylenth1を使用しているアーティスト: Skrillex, Hardwell, Diplo, Porter Robinson, Flume, Dillon Francis, Kygo, Zhu, Oliver Heldens
最近は毎年いろんなソフトシンセが発表されていますが、Sylenth1は昔から人気があって、今なお愛用者が多いバーチャルアナログシンセです。
実際にあるアナログシンセを再現したものではありませんが、音のクオリティはとても高く、設定やプリセットによってアナログっぽい音もエレクトロな音も出せる万能ソフトシンセ。
EDM系だと、このシンセを持ってない人なんていないんじゃないかというくらい人気のシンセです。
7位「Chromaphone2」- AAS
音の良さ | |
音作りの自由度 | |
プリセットの豊富さ | |
アナログっぽさ | |
音の立ち | |
オリジナリティ |
動画をご覧になると分かると思いますが、独特なサウンドのソフトシンセです。
Chromaphone2は生音っぽい音をシンセで再現していて、ドラムや金物, ピアノ, マリンバ, パーカッションなどの音を作ったり加工することができます。
こういう生音っぽい音が入った曲は結構聞くことがあると思いますが、意外とこの音が簡単に出せるシンセってなかなか無いんですよね。
電子音の中にこういう生っぽい音を入れられると、制作の幅がさらに広がりますよ。
曲にアクセントが欲しい方、ちょっと変わったサウンドを求めている方におすすめです。
結局どれを選べばいいの?あなたに合うシンセはこれ!
ここまで7種類のシンセを見てきましたが、「どれがいいのかまだ分からない!」「俺にぴったりのソフトシンセを教えてくれ!」という人は、この先を参考にしてみてください。
大切なのは「何を基準にシンセを選ぶのか」ということです。
初心者からでも使えるシンセを選びたい!
DTMを始めたばかりの人なら、多機能なソフトシンセを選ぶと挫折してしまうかもしれません。
そんな初心者が最初に選ぶべきシンセは、ズバリこの2つです!
これらは音が良いのはもちろん、分かりやすいデザインで「音作り」がしやすいのも大きな特徴です。
基本的なパラメーターをひととおり備えているので、これらでしっかり音作りの基礎を学んでおけば、これから他のシンセを使うときでもその知識を活かすことができます。
せっかくならプリセットだけじゃなくて、音作りもしてみたいもんね。
最初から自由度が高すぎて音作りが難しいものを選んでしまうと、プリセットに頼りすぎてしまい、なかなかシンセの扱いが上達しない可能性もありますからね。
アナログ感を重視したい!
リアルなアナログ感が特徴のソフトシンセは、次の3つでしたね。
この中でも「Diva」は5種類のビンテージシンセを再現した万能シンセで、手頃な価格にも関わらず高品質なサウンドを奏でます。
「Repro-5」はProphetという一つのシンセを再現したものなので、Prophetの音が好きな人なら絶対に使ってみてほしいのですが、特にこだわりがないなら「Diva」を選べばOKです。
「V Collection 8」は、業界でも最も多くのビンテージアナログシンセを再現したバンドルなので、アナログサウンドが大好きで「BuchlaやEMSといった名機の音を楽曲に取り入れたい!」という人におすすめです。
数十種類のシンセが入っているので値段はそれなりにしますが、Arturia社はこういったビンテージモデリングの世界では最も有名なメーカーの1つなので、クオリティーに関しても心配することなく安心して選べますよ。
EDMやエレクトロの作曲で使いたい!
EDMやエレクトロ, ダブステップ, トランスなどで使うならこの2つが候補に挙がります。
「Serum」はSylenth1に変わる強力なデジタル系のシンセで、「音質」「使いやすさ」共に素晴らしいです!
「Sylenth1」は今でもこの業界の定番シンセであり、アナログっぽい柔らかい音も出せるので、エレクトロな音だけでなくいろんなジャンルでの音楽制作を考えているならSylenth1の方が合う人もいるでしょう。
プロも愛用するおすすめのソフトシンセサイザー10選 | まとめ
いかがでしたでしょう?
以上、僕がおすすめする7個のソフトシンセです。
アナログシンセにしか出せない音というのは依然ありますが、「ソフトシンセ=音が悪い」というイメージはもう過去のもので、ソフトシンセは音が良くてプリセットも膨大, 場所もとらない, 劣化しない, 壊れないという様々なメリットを持っています。
今日ご紹介したのはどれも素晴らしいシンセサイザーですが、それぞれジャンルによる向き不向きなどがあるので、自分が作りたい曲の雰囲気に合わせてお気に入りを探してみましょう。